【インタビュー付き】麻雀プロの成り方、仕事の内容・収入からメリットを徹底解説

麻雀プロ

将棋や囲碁のプロと同様に麻雀にもプロ団体があり、麻雀プロと言うステータスを持ち、多くの人が活躍しています。

非常に面白いゲーム性で多くの人を魅了してきた麻雀。この麻雀でプロとなり、飯を食っていきたいと思っている方も多いのではないでしょうか?(筆者はプロではないですが、26歳まで麻雀で生きていました。)

昨今はサイバーエージェントのAbemaが主導しているMリーグが生まれ、Mリーガーとして、他分野のプロとなんら遜色のない活躍をしている人までいるほどです。

とはいえ、麻雀には多くのプロ団体があり、どんな団体があるのか、どのような違いがあるのか、どんな仕事をして、どのくらい稼いでいるのか、謎に包まれている部分が多いのも事実です。

当ページでは、実際の麻雀プロのインタビューを通してリアルな麻雀プロの実情を徹底解説したいと思います。

そもそも麻雀プロとは

麻雀プロになるには、競技麻雀の団体に所属する必要があります。加入基準は各団体ごとにそれぞれ少しずつ異なっており、競技麻雀のプロ団体は2021年時点で、11団体が存在しています。

ここでは、最も有名な4団体のみご紹介します。

見本となる麻雀を打つのが麻雀プロ

加入のテスト内容は団体ごとに違うようですが、すべての団体で共通しているのは、麻雀が強ければプロ団体に所属できるというわけではないということです。

麻雀が強いことはもちろんのこと、人として規範となるような麻雀を打つことを求められます。

たとえばマナーや牌さばきの良さ、ギャンブルではない麻雀の魅力や楽しさを伝えること、見ている人を楽しませる麻雀をできること、といったことです。

他の人の気分を害するような発言や態度をとる人は、いくら強くてもプロとして相応しくないということです。

プロとしての地位が確立している将棋のプロ団体「将棋連盟」の目的は以下のようなものです。

将棋の普及発展と技術向上を図り、我が国の文化の向上、伝承に資するとともに、将棋を通じて諸外国との交流親善を図り、もって伝統文化の向上発展に寄与すること

日本将棋連盟

「技術向上・普及・教育」が掲げられており、強ければ良いというわけではないことがわかります。

麻雀のプロでも同様のことが言えるということでしょう。

麻雀プロ団体に加入するための方法

各団体少しずつテストの内容は違うようですが、テストの項目自体はおおよそ共通しており、下記のようになっています。

  • 書類
  • 筆記テスト
  • 面接
  • 実技

団体によって開催時期や回数は異なりますが、およそ年に1〜2回開催されていることが多いようです。

麻雀大学アプリ
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各プロ団体のテストの特徴

ここでは各プロ団体のテストの特徴を見ていきましょう。

日本プロ麻雀連盟

日本プロ麻雀連盟のプロテストは3次選考まで行うと言われ、最後のの3次選考は複数回に渡って実施されるため、選考期間が長いといわれています。

最大手のプロ団体ということもあって、時間をかけて厳正に審査するということなのでしょう。

1次選考は履歴書と試験申込書による書類選考です。合格した人は2次選考へ進みます。

2次選考は2日間にわたって実施され、1日目の筆記試験と面接に合格した人のみ2日目の実戦対局に進むことができます。

ちなみに3次選考の内容は公開されていません。

気になるテスト費用ですが、日本プロ麻雀連盟のサイトにはテスト費用が記載されていませんでした。他団体のテスト費用は約2万円なので、連盟もおそらくそのくらいだと思います。(どこかに記載があればすみませんmm)

筆記試験の過去問題は下記のリンクから確認できます。事前に予習できるのはいいですね。

日本プロ麻雀連盟の過去問とお申し込みはこちら

日本プロ麻雀協会

日本プロ麻雀連盟に続く大手団体である、日本プロ麻雀協会のテストについて紹介していきましょう。

日本プロ麻雀協会のプロテストは書類審査通過後、筆記(論述、麻雀問題、一般教養)、面接、実技を全て1日で行われます。一般教養や論述など出題の幅が広いことが特徴です。

遠方から来てテストを受けに来なければならない方にとっては朗報だと言えるでしょう。

テスト費用ですが、日本プロ麻雀協会は2万円を試験当日に支払う形となっているようです。当日は忘れないようにしましょう。

日本プロ麻雀協会でもテストの過去問は公開されているので、よければご覧になてみてはいかがでしょうか。

日本プロ麻雀協会の過去問とお申し込みはこちら

最高位戦日本プロ麻雀協会

最高位戦日本プロ麻雀協会は、日本で最も古い麻雀プロ団体です。これは初耳な人も多いのではないでしょうか?筆者はこの記事を書くために調べるまでずっと日本プロ麻雀連盟が最古だと思っていました。

プロテストは書類選考後、筆記、面接、実技による選考が1日で行われます。こちらも遠方から来なければならない人にとってはテストを受けやすい条件だと言えるでしょう。

テスト費用ですが、お申し込みの3,000円と受験費の15,000円の合計18,000円となっています。

内容は一般的に麻雀問題として出題されるような、点数計算や状況判断などが出題されています。

こちらも公式に過去問が出ています。

最高位戦日本プロ麻雀協会の過去問とお申し込みはこちら

RMU

RMUだけ少し特殊なようで、随時入会審査を行なっているようです。

審査といっても、一般的に麻雀で出題されるようなテストと軽い面接を受けるといった内容のようです。

RMUのお申し込みはこちら

麻雀プロの仕事内容と収入

麻雀プロリーグに出場

主な活動は、所属団体が主催するリーグ戦や、所属団体または他団体開催のオープン戦などの大会へ出場することです。

「Mリーグ」との違いは、「Mリーグ」は2018年に誕生したプロのリーグ戦で、麻雀を団体競技とし、オリンピック種目化することを目的としています。野球の麻雀版と考えて良いでしょう。企業がチームを所有しているということです。

Mリーグが非常に注目されているのは、リーグ選手には最低年俸400万円が保証されているということが理由の1つです。

ここが「Mリーガー」と「日本プロ麻雀連盟」や「日本プロ麻雀協会」に所属している麻雀プロとの大きな違いでしょう。後述しますが、麻雀プロは団体に所属するだけで給料が保証されるわけではないので、他に仕事を持っている場合がほとんどです。

Mリーガーは21人(3人編成の7チーム)と狭き門ですが、麻雀に集中できるので、麻雀プロたちの新たな目標となるのではと期待されています。

また、Mリーガーになる唯一の方法が麻雀プロになることだと言っても良いでしょう。

萩原聖人
萩原聖人

萩原聖人を除いて、全てのMリーガーが何らかの麻雀プロ団体に所属しています。現在は日本プロ麻雀連盟所属となっていますが、Mリーガーとなる前までは麻雀プロ団体に所属はしていませんでした。ただ、麻雀の認知度を広めるという意味では、誰よりもプロらしいと筆者は思っています。

書籍やコラム、ゲストの依頼

人気のある著名プロになると、近代麻雀と言った雑誌で取材はもちろんのこと、書籍の執筆、テレビ、イベントへなどメディア出演などもありえます。とはいえ、これらの仕事を安定的に獲得できるのは、ほんの一握りです。

また様々な雀荘にゲストでおもむいて報酬をもらっているプロもいます。こちらは数多くいますので、一般的なプロの活動と言えるでしょう。

またここでは、書籍を出されたプロの例をご紹介しましょう。

平澤元気さんは元麻雀プロで現在は麻雀戦術を講義するための動画を作っているyoutuberです。

元プロではあるのですが、プロ在籍中に上記のような本を出版されています。自身の活動の仕方によってこのようなチャンスはいくらでもあるということですね。

ちなみに平澤さんの動画や書籍はとってもわかりやすくて麻雀の上達の参考になると思うので、よければポチッとお願いしますmm

雀荘の勤務、もしくはサラリーマンの両立

先ほど述べた通り、プロ団体は所属するだけで給料が発生するわけではありません。なので基本的には他の職業と兼業しているケースがほとんどです。

その中でも一般的に多いのが雀荘での勤務と言えるでしょう。筆者の友人の麻雀プロ達もほとんどが普段は雀荘勤務をしています。
雀荘で一般の人と麻雀を打ち、『お客さんを楽しませる』ことを通じてファンを獲得することにも繋がります。普段から厳しい環境で麻雀を打つことで実力の向上にも繋がるでしょう。また多額の収入を得ることは難しいですが、安定的な収入につながります。

麻雀プロの収入は人によって大きく異なる

人気プロの年収は1000万円以上といわれますが、それはほんの一握りのプロです。多くの麻雀プロは、生計を立てるために兼業しながら、その一方で麻雀のスキルアップの練習もするという状況です。

プロ団体に所属をしたからといって仕事をもらえるわけではなく、また毎年プロテスト合格者がいるのでライバルは増えていきます。華やかな一方で、とてもシビアな世界であることは覚えておきましょう。

有名なプロ団体と特徴

日本プロ麻雀連盟

麻雀プロ業界を引っ張る日本最大のプロ団体です。設立されたのは1981年3月6日。現在の会長は3代目となっており、森山茂和プロです。

森山茂和
日本プロ麻雀連盟会長「森山茂和プロ」

小島武夫や灘麻太郎、荒正義などの麻雀プロ界の黎明期を支えたプロや、「フリー雀荘で1,000万円貯めた男」として名を馳せている佐々木寿人、女流プロの草分け的な存在の二階堂姉妹などの多くの有名プロが在籍しています。

また、上記で挙げたプロの内「佐々木寿人プロ」と「二階堂亜樹プロ」は現在Mリーガーとして活躍しています。

佐々木寿人
KONAMI麻雀格闘倶楽部「佐々木寿人プロ」
二階堂亜樹
EX風林火山「二階堂亜樹プロ」

また、日本プロ麻雀連盟が「ロン2」というオフィシャルな麻雀ゲームサービスを運用しており、ここでは連盟所属のプロが多数麻雀を打っているようなので、ファンへの露出が一番強いと言えるかもしれません。

日本プロ麻雀協会

2001年に設立され、2010年に法人化されました。現在の代表は五十嵐毅。麻雀スリアロチャンネル」に積極的に参加している他、麻雀アーケードゲーム「MJ」にも全面的に協力しています。

また特徴的なのが、多くのプロ団体が少し特殊な競技ルールを採用している中、日本プロ麻雀協会は、現在フリー雀荘で一般的に使われているルールと最も近いルールを採用しています。具体的には25000点持ちの30000点返しの「オカ」や、30000点-10000点のウマ、一発や裏が採用されていることです。

日本プロ麻雀協会からもMリーガーが2名輩出されており、ここではその2名をご紹介します。

鈴木たろう
赤坂ドリブンズ「鈴木たろう」

赤坂ドリブンズ所属の「鈴木たろうプロ」ですね。ゼウスという呼び名で知られています。Mリーガーになった当初は日本プロ麻雀協会に所属していたようですが、2020年11月14日に最高位戦日本プロ麻雀協会への電撃移籍をしたようです。

松本吉弘
渋谷ABEMAS「松本吉弘プロ」

現在Mリーグにて渋谷ABEMASに所属して活躍している「松本吉弘プロ」です。相性は雀風と容姿に由来して「卓上のヒットマン」と呼ばれているようです。

26歳の若さでMリーガーとなったこともあって、これから麻雀プロを目指す方にとっては希望の星と言えるのではないでしょうか。

最高位戦日本プロ麻雀協会

母体は現在も団体内最高峰のタイトルである最高位戦の運営団体の組織です。元々の母体は1976年に創設された竹書房が発行していた麻雀専門誌「近代麻雀」が主催する誌面上のタイトル戦でした。しかし主催の「近代麻雀」が最高位戦の主催を打ち切ったため、第10期(1985年)から参加している雀士が自主運営する形で大会を開催するようになりました。

「トイツ王国の王子」の異名を持つ土田浩翔、「ネコさん」の愛称で親しまれている金子正輝、「黒いデジタル」石橋伸洋、「リーチ超人」村上淳などバラエティーに富んだプロが所属しています。

最も古い団体ということもあって、数多くのMリーガーを輩出しているのも特徴と言えるでしょう。

村上淳
赤坂ドリブンズ「村上淳プロ」
石橋伸洋
U-NEXT Pirates「石橋伸洋プロ」

RMU

2007年6月に設立され、代表者はMリーガーとしても有名な多井隆晴プロです。

多井隆晴
渋谷ABEMAS「多井隆晴」

RMUでは、他団体と違って入会してすぐにプロを名乗れるわけではなく、プロ希望者はアスリートコースの会員となり、アスリートコース所属者によるリーグ戦(Rリーグ)で好成績を残し、審議会の半数が認めた場合にプロライセンスが発行される仕組みになっています。

最近では、RMUの公式タイトル戦を対戦型麻雀ゲーム「雀魂(じゃんたま)」で行う発表をしました。

アフターコロナを見据えて、多くのイベントがオンラインに移行していく流れをくみとって、時代を先取りしたということなのではないでしょうか。

麻雀界においても、ビフォアーコロナには戻れないということを象徴しているかのようですね。

麻雀プロにインタビュー!

麻雀プロになろうか迷っていて、「麻雀プロの実際の話を知りたい!」という方のために筆者の知人のプロ3名にインタビューを行ってきました。今回はインタビューに応じていただいた方達の希望で匿名でご紹介させていただきます。

全ての団体のインタビューには至りませんでしたが、一部でも知ることで麻雀プロがどのようなものなのかを知るきっかけにはなると思います。

少し味気ないですが、ここからはプロA、B、Cの呼び名で行きたいと思います。

日本プロ麻雀協会

まずは日本プロ麻雀協会に所属している2名のインタビューから行きましょう。

プロA

Q、プロになった理由と日本プロ麻雀協会を選んだ理由

A、正直暇だったからです笑。ただ麻雀は好きだったので、せっかくなら暇な時間を麻雀のために使おうと思いました。日本プロ麻雀協会を選んだ理由はネット麻雀「天鳳」を評価していたからです。

Q、プロになってよかったこと

A、強い人、麻雀界の有名人に知り合える。多くの人間が真剣に取り組んでいる場があるということです。麻雀でとにかく強くなりたい人にとっては理想的な環境です。

Q、普段の仕事や収入

A、普段はメンバーをしています。麻雀の成績抜きなら年間200万円ほど稼いでいます。麻雀の成績込みならもっと多いですけど、ここは秘密にさせてください。

Q、プロになってからの印象的な出来事

A、まだ印象的な出来事は経験していません。ただ、超難易度の高い負け条件をクリアできた時は気持ちいいですし、比較的簡単な勝ち条件はクリアできないのは悔しいです。

プロB

Q、プロになった理由と日本プロ麻雀協会を選んだ理由

A、より強くなりうる事が出来る環境だと思ったからです。日本プロ麻雀協会を選んだ理由は、ルールがトップ取りを重要視しているんですね。そこに魅力を感じて、教会を選びました。

Q、プロになってよかったこと

A、まずは人脈ですね。強い人や著名人と知り合って、その人たちと麻雀ができるということです。またそういった人たちとリーグ戦の後とかに飲み会したりするので、その場ではだいたい麻雀の話になって、知識的な意味でものすごく魅力的です。2点目が固定の人たちと一つの目標に向かって競い合うことです。普段は不特定多数の人と麻雀を打っているので、同一の人と打ち続けるのは、それはそれで面白いです。

Q、普段の仕事や収入

A、メンバーをしています。週2日ほど働いてて、年収にすると150万ほどでしょうか。週5日働けば年収380万くらいな感じです笑。まあ生きていくには十分ですし、やりたいことやれてるので満足です。

Q、プロになってからの印象的な出来事

A、一度大きな大会で決勝戦にまで行けたことがありました。その時は放送対局だったのですが、その決勝戦で目無し(優勝の可能性がなくなること)になったのが今までのプロ人生で一番印象的でした。

Q、目無しになった時の気持ちは?

A、打ち方に目標がないから困惑しました。はじめて勝つ事以外を第一目標にしてちょっと罪悪感を感じていたのを覚えています。

最高位戦日本プロ麻雀協会

プロC

Q、プロになった理由と最高位戦を選んだ理由

A、単純に麻雀が大好きでプロに興味があったからです。なった時は24歳くらいで麻雀業界で生きていくつもりだったから成ってみようかな思いました。団体を選ぶ時は連盟と最高位戦の2択だったんですけど、連盟はまだ天鳳を良しとしてるかは微妙に感じたので、あと会員費用が他団体より割と高めと聞いて最高位戦を選びました。

Q、プロになってよかったこと

A、リーグ戦とかタイトル戦は普段と違ってドキドキします。独特な感情で、天鳳とはまた違ってて、他では味わいにくい感情です。とても刺激的ですよ。

Q、普段の仕事や収入

A、普段はサラリーマンをしています。普通の20代サラリーマンの収入を想像すればいいかと思います笑。

Q、プロになってからの印象的な出来事

A、特に無いですね。タイトル戦でベスト16まで残った時は少し緊張しました。ただ重要だったのが、とにかく目の前のことに対して最適な選択をしていたいという気持ちがありました。

まとめ

麻雀プロの実態が少しでも伝わったでしょうか?麻雀プロは現状将棋のプロのように、めちゃくちゃお金を稼げるステータスではないかもしれません。しかし麻雀が大好きで、麻雀の中で一生懸命頑張りたい人にとっては理想的な環境だと言えそうです。

しかし、Mリーグの登場によって麻雀業界も少しずつ変わっていっていると言えそうです。本人の努力によっていくらでも活躍することはできると言えるので、本当に麻雀が好きなのであれば、プロを目指すのは一つの選択肢と言えるかもしれません。

実は今回インタビューを行ったプロAは、当ブログで記事を書いてくれたこともあります。Mリーグの観戦記を書いてくれたのですが、プロ視点からとても参考になることを書いてくれています。もしよろしければ、下記のリンクからご覧ください。

麻雀大学にはコメントをつけられる麻雀ニュースアプリがあります。麻雀好きだけが集まるアプリで、Mリーグやプロの試合の観戦記を他の人のコメント付きでお楽しみください。また、ぜひ皆様もコメントをつけてみてください。

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また、麻雀大学では麻雀で上手くなりたい初心者にとって、総合的に麻雀を学べるような記事を用意しています。プロを目指していて、まだまだ学びたいという方はぜひご覧ください。必ずお役に立てるかと思います。

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