仙人のごとく老獪な実戦派雀士―サクラナイツ沢崎誠選手【1月9日第一試合】

はじめに

こんにちは!バクの元同僚,キタです。

今回はKADOKAWAサクラナイツに所属する沢崎誠選手にスポットライトを当てて,打牌の検討をしていきたいと思います。2期目からMリーグに参戦した同選手は「海千山千」という言葉がピッタリの,一筋縄ではいかない麻雀を打つという評判で知られています。

実戦的には一番戦いたくない相手と言えるかもしれませんね。そんな沢崎選手の打牌を,できるだけロジカルに紐解いていきましょう!

第一試合

出場メンバー

KADOKAWAサクラナイツ:沢崎誠プロ
U-NEXT Pirates:小林剛プロ
TEAM RAIDEN / 雷電:黒沢咲プロ
渋谷ABAMAS:白鳥翔プロ

東2局0本場;仕掛けへの丁寧な対応

Mリーグ牌譜
東2局0本場

親の小林プロがオタ風を鳴いて不気味な河をしているのに対応し,イーシャンテンから2pを抑えて現物の6sを合わせたこの局面。

親の切り出しが不自然で手役の気配がする(≒高そう)ので,役牌アンコにうっかり打たないための注意深い一打です。

ドラ2ではありますが,愚形&愚形の苦しいシャンテンというこもあって引き気味に対応したのですね。自分はこのくらいの手格好なら2pくらいは切るかもしれませんが,丁寧で素晴らしい一打だと思います。

*もしかしたら14pの引き戻しを見たのでは?と思われる方もいるかもしれませんが,それはちょっと筋が悪いです。ピンズで2面子作ろうが4689sのヘッドレスシャンテンが残ってしまい,結局ソウズ2枚入らないと和了まで至らないので,速度だけ見れば縦受けを残す2p切りが最善です。

東2局1本場;最終形を強く

2mが2飛び,5mが1飛びなのを踏まえて,完全シャンテンに取らず2mを切りました。

Mリーグ牌譜
東2局1本場

上家の現物である2mを残すよりは,最終形が14mになったときのニオイ消しをしておきたいという判断です。一応6m7m引きで打点と受け入れの改善も見込めます。

南1局2本場;ターツ選択

南場の親番,チャンタ系の2副露を前にターツ選択を迫られ,5mを切ったこの局面。

Mリーグ牌譜
南1局2本場-1

ドラが1mで字牌が残っていないので,下家の小林プロに放銃すると大体3900~でしょう。2sは残り1枚ですが,1sと3sの2押しが厳しいとみて今通った5mを合わせています。テンパったら3mを切っても見合うでしょう。

これはやや消極的な選択肢に見えます。微差トップ目の親番で和了がほしいので,場況の悪くないカン4mを残して攻めたいところです。

Mリーグ牌譜
南1局2本場-1

イッツーにもジュンチャンにも刺さる3mは結構危ないので,この6pはツモ切ったほうがいいでしょう。和了が欲しくてブクブクにしたいならカン4mを残したいところなので,一貫性がなく見えます。

南1局3本場;so sweet!

Mリーグ牌譜
南1局3本場

バラバラから聴牌濃厚の仕掛けに無筋を押すのはダメです。正直・・・相当甘い打牌です。差し込み気味に切ってるのかわかりませんが,こういうのは低打点が保証されない限りはっきり損です。赤なしを多く打ってらっしゃると思うのでその癖ですかね?

南3局0本場;男なら,かっぱげ!

西家でトップ目に立つ終盤にドラ2の両面聴牌を入れましたが,これをダマテンにしました。

Mリーグ牌譜
南3局0本場

見た目6枚残ってるし,曲げていいと思います。3着目が近い親にプレッシャーかかりますし。リードは守るものじゃなくて広げるものだ!

1半荘見ての感想

沢崎プロは細かい切り順や仕掛けへの対応など,非常に繊細な麻雀を打っている一方で,やや雑なところもあって仕上がりにムラがあるという印象です。

あと年配の方あるあるなのですが,言葉を選ばずいうと序盤は基本的に雑です。Mリーグという信頼できる打ち手が集まっている環境を加味しても,安牌を過剰に抱えて好打点の種を見切ったり受け入れを狭めたりといった選択が散見されます。

Mリーグ牌譜
雑な打牌の例

例えば開局の打1mですが,発を切らないのなら9sより1mを残したほうがよいです。1m周りにくっつけば68sを払って自然に三色が目指せますが,7sが入ってもどうせイッツーにはならずソウズ上で2面子作る手順はありません。

とはいえ総合的に見て,押し引きのバランスはかなり洗練されたものを感じます。対局者にかかるプレッシャーは大きなものがあるでしょう。頭でっかちにならない実戦的な雀士,それが沢崎誠選手です。

けっこう辛口になってしまいましたので,ご批判やコメント等あればなんでもいただければ幸いです。

それではまたお会いしましょう!

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